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スペインの食事の時間遅い昼食と夜更けの夕食

スペインでは、昼の食事は14時ごろから、夕食は21時を過ぎてからが一般的です。1940年に時計を1時間進めたことや戦後の働き方など、遅い時間の背景として語られることと、食卓の1日の流れを紹介します。

スペイン20世紀なかごろに今の形(時刻は1940年から)食事の時間と回数今も続いている

概要

スペインの食事の時間は、ヨーロッパのほかの国と比べて遅いことで知られます。昼の食事(コミーダ)は14時ごろから、夕食(セナ)は21時を過ぎてからが一般的です。スペイン政府観光局の案内では、レストランが昼食を出すのは13時から16時、夕食は20時から23時30分ごろです。

1日の食事の中心は、昼の食事です。食べたあとも席を立たず、コーヒーを飲みながら話を続けることもよくあります。夜遅くまで外で食べる人も多く、大きな町では、ほぼ一日中どこかで食事ができます。

歴史

時計を1時間進めた1940年

遅い食事の時間の背景として、よく挙げられるのが時計の時刻です。スペインの本土の大部分は、地理の上では、イギリスやポルトガルと同じグリニッジの子午線に近い位置にあります。

ところが1940年3月、政府は時計を1時間進めました。命令では、すでに時計を進めていたほかのヨーロッパの国と時刻をそろえるため、と説明されていました。当時は一時的な措置とされましたが、その後も元に戻されていません。そのため本土では、太陽の動きに比べて、時計の時刻が進んだ状態が続いています。カナリア諸島だけは、本土より1時間遅い時刻です。

戦後の働き方

戦後の暮らしも関わっていると説明されます。内戦(1936〜1939年)のあとの苦しい時期には、暮らしのために2つの仕事をかけもちする人が多くいました。午前の仕事と午後の仕事を両立させるため、昼の食事の時間が少しずつ遅くなっていった、という説明です。

その後も、昼に2時間を超える休みをとる「分かれた勤務」が多く残りました。昼休みに家へ帰って食べる人も多く、2013年の報道は、仕事を終えるのはふつう19時を過ぎてからで、店は22時ごろまで開き、そのころからバルがにぎわい始めると伝えています。

ただし、遅い時間の理由は一つではありません。時刻の変更や働き方でどこまで説明できるかは、研究者の間でも見方が分かれています。

食卓の風景

朝は、コーヒーとパンなどで軽くすませる人が多くいます。観光局の案内では、朝食は7時から12時ごろまでとれ、10時ごろに朝食をとることも珍しくありません。

昼前の12時から14時ごろは、友人とバルで1杯飲んだり、タパス(小皿料理)をつまんだりする時間です。昼の食事の前に、ベルモットなどを飲みながら家族や友人と過ごす習わしもあります。タパスの店を何軒か回りながら、立ったまま食べることもあります。

昼の食事は、14時ごろから始まり、ゆっくりと時間をかけてとります。食後は、コーヒーを飲みながら話を続けるのがふつうとされます。この時間は「ソブレメサ(食卓の上)」と呼ばれます。

夕食は21時から22時ごろ、あるいはもっと遅くにとります。夏や大きな町では、レストランは23時30分ごろまで夕食を出します。

店の時間も、この流れに合わせています。商店は10時から21時ごろまで通して開くのがふつうですが、夏などには14時から17時ごろまで閉める店もあります。日曜日は、多くの店が休みです。

今の暮らしの中で

時刻と暮らしの時間をめぐる議論は、今も続いています。2013年には、国会の小委員会が、仕事と家庭を両立させるための時間の見直しを求める報告をまとめました。その中で、グリニッジの時刻に戻した場合の影響を、政府が調べるべきだとしました。2018年には、政府が時刻の見直しを検討する専門家の委員会を設けています。

一方で、時刻を変えても、暮らしの時間がすぐに変わるとは限らないという意見もあります。2026年の報道で、国立天文台の元天文学者は、時刻は「社会の取り決め」であり、変えてもしばらくすれば今と似た状況になるだろう、と述べています。

よくある誤解・豆知識

「ドイツに合わせた」という話は確かではありません。 1940年の変更は、ナチス・ドイツへの配慮だったと語られることがあります。国立天文台の元天文学者は、この説を否定しています。同じ1940年には、イギリスやフランス、ベルギー、オランダ、ポルトガルも時計を進めていました。1938年には、内戦中の共和国政府も、日の光を生かすために似た措置をとっています。

太陽の時刻で見ると、それほど遅くないという研究もあります。 セビリア大学の研究者は、スペイン・イタリア・イギリスの生活時間の調査をくらべました。経度や緯度を考えに入れると、スペインの暮らしの時間はほかの国と大きくは変わらない、と述べています。

どこでも同じ時間とは限りません。 観光局も、昼食の時間を「13時から16時」「13時30分から15時30分」などと幅をもって案内しています。地域や家庭、季節によって時間は違います。

参考文献

最終更新:2026-10-17

このページは、世界の食の習わしを、歴史と文化として紹介するものです。健康や栄養、食事の取り方についての助言ではありません。食事の内容は、年齢や体の状態に合わせて、医師や管理栄養士に相談してください。

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