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トヴェットストゥーガスウェーデンの共同の洗濯室

スウェーデンの集合住宅の地下などにある、住む人どうしで使う共同の洗濯室。1925年にストックホルムで作られ、1950年代に一気に広まりました。洗う時間を予約する仕組み、使った後のそうじ、暮らしの中での位置づけを紹介します。

スウェーデン(ストックホルムなど全国の集合住宅)1925年〜洗濯今も続いている

概要

トヴェットストゥーガ(tvättstuga)は、スウェーデンの集合住宅にある共同の洗濯室です。「トヴェット」は洗濯、「ストゥーガ」は小さな家や部屋を指します。建物の地下に置かれることが多く、屋根裏や別の小さな建物にある所もあります。

住む人は、あらかじめ洗濯の時間を予約し、その時間だけ洗濯室を使います。洗濯機と乾燥機などが並び、使った人がそうじをして次の人に渡します。ストックホルムのノルディスカ博物館は、こうした共同の洗濯室は「ほぼスウェーデンにしかない」と紹介しています。

歴史

19世紀の終わりごろ、洗濯は年に数回、まとめて大がかりに行う仕事でした。共同の洗濯室がない家では、手で洗うか、台所のかまどで服を煮て洗っていました。

1925年、住宅協同組合のHSBが、ストックホルムのローダ・ベリエン地区の集合住宅に、近代的な共同の洗濯室を作りました。スウェーデンで初めてのものの一つとされます。ただ、1920年代から30年代には、まだゆっくりとしか広まりませんでした。

広まったのは、国が「国民の家(フォルクヘンメット)」という考えのもとで、たくさんの住宅を建てた時代です。1940年代から60年代には、国の貸し付けを使って、明るく使いやすい住宅が数多く建てられました。共同の洗濯室は、主に洗濯を担っていた女性の時間を生み出すためのものとされ、ノルディスカ博物館は「合理的な家事の象徴」になったと説明しています。1955年には、国の委員会が洗濯をテーマにした報告書をまとめています。

1950年代に洗濯室は一気に増えました。市などが持つ公営の住宅会社が、建設を大きく進めました。1970年代の初めには、集合住宅に住む世帯の94%が共同の洗濯室を使えるようになったとされます。

やり方と道具

洗濯室には、洗濯機、回転式の乾燥機、服をつるして乾かす乾燥用の戸棚などが置かれています。洗剤は各自が持ちこみます。

使う時間は予約で決めます。紙の予約表に名前を書きこむ方法のほか、1980年代には、錠前の筒(シリンダー)を使う予約板が広まったとされます。住む人は自分の筒を持ち、予約板の希望の時間の欄に差しこみます。予約した時間には洗濯室に鍵をかけ、ほかの人が入れないようにできる仕組みもあります。2000年代からは、インターネットや電子の鍵で予約する仕組みも増えました。

決まりは建物ごとに作られます。ある住宅会社の決まりでは、予約した時刻から1時間たっても使われないときは、ほかの人が使ってよいとしていました。使い終わったら、洗濯機や乾燥機をふき、乾燥機のフィルターのほこりを取り、床を掃いてふきます。窓を閉め、灯りを消し、扉の鍵を確かめてから出ます。機械の数や予約の枠を十分に用意するのは、家主の務めとされています。

今の暮らしの中で

洗濯室は、同じ建物に住む人どうしが顔を合わせる、数少ない場所の一つです。民族学者のクリスティーナ・ルンドは、洗濯室を「私的な場所と公の場所のあいだにある、半ば私的な場所」と表しています。

一方で、もめごとの起きやすい場所としても知られています。借家人の団体の雑誌の調べでは、いちばん多い不満はそうじが不十分なこと、次が予約した時間を取られることでした。腹を立てた人が壁に貼る「怒りのメモ」は、新聞や番組でもたびたび取り上げられてきました。ノルディスカ博物館は2009年11月から2010年3月まで、展覧会「洗濯室」を開き、こうしたメモを集めた壁も展示しました。

2000年代の初めからは、新しく建つ集合住宅では、各住戸の浴室に洗濯機を置くことがふつうになってきました。その一方で、共同の洗濯室を見直そうという意見もあります。本棚を置いて、住む人どうしで本を貸し借りする洗濯室もあります。

よくある誤解・豆知識

コインランドリーとは違います。 トヴェットストゥーガを使えるのは、その建物に住む人だけです。好きな時に行くのではなく、予約した時間に使います。

予約の筒は一人ひとりのものです。 錠前の筒は、住む人がそれぞれ持っています。ほかの人の予約の時間を守らない人の筒を、建物の管理人が預かるという決まりを作った住宅会社もありました。

博物館が本を出しました。 展覧会と同じ2009年に、ノルディスカ博物館の出版部から、洗濯室の歴史をまとめた本『Tvättstugan: en svensk historia(洗濯室:スウェーデンの歴史)』(クリスティーナ・ルンド著)が出ています。

参考文献

最終更新:2026-10-19

このページは、世界のそうじと洗濯の習わしを、歴史と文化として紹介するものです。昔の洗い方には、今では危ないとされる材料を使ったものもあります。まねをするときは、洗剤や道具の表示に従ってください。

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