世界じょうしき図鑑

タロット78枚のカードで読む

78枚のカードで悩みごとの流れを読む西洋の占い。ゲーム用のカードから占いの道具になった由来とやり方を紹介し、無料で今日の一枚を引けます。

発祥:イタリア → フランス15世紀〜カード等を引く体験できる

今日の一枚

1日1回・無料・登録不要

3枚引き(過去・現在・未来)

質問に合わせて、AIが3枚の流れを読み解きます。

0/200字・空欄なら全体の流れを占います

無料・登録不要です。

概要

タロットは、78枚の絵入りカードを混ぜて引き、出たカードの絵や位置から物事の流れを読む占いです。今では西洋の占いの代表のように知られています。しかし、もともとは占いの道具ではありませんでした。15世紀の北イタリアで、貴族が遊ぶカードゲームの札として生まれたものです。

占いに使われるようになったのは、それから300年以上たった18世紀後半のフランスです。さらに19世紀から20世紀にかけて、神秘思想に関心を持つ人々が意味づけを重ね、今のタロット占いの形ができました。このページでは、ゲームから占いへと姿を変えてきたタロットの歩みと、カードの仕組み、伝統的なやり方を紹介します。

由来と歴史

カードゲームとして生まれる

ヨーロッパにトランプのような4種類の札(スート)を持つカードが伝わったのは、1370年代ごろとされます。エジプトを中心としたマムルーク朝のカードが、商人を通じてイタリアやスペインに入ったと考えられています。

タロットは、この4スートのカードに、寓意画(ぐういが:「正義」や「死」などの考えを人物の姿で表した絵)を描いた特別な札を加えて作られました。1430〜40年代の北イタリアで生まれたとされ、ミラノやフェラーラ、フィレンツェ、ボローニャの宮廷の記録に現れます。追加された札は「トリオンフィ(凱旋)」と呼ばれ、ほかのスートより強い「切り札」として使われました。英語の「トランプ(trump=切り札)」は、この言葉に由来するとされます。

現存する最古のタロットは、15世紀半ばにミラノの君主ヴィスコンティ家とスフォルツァ家のために手描きされたカードです。金箔を使った豪華なもので、何組かが一部欠けた形で残ります。1500年ごろからは「タロッキ」という名前でも呼ばれるようになりました。17世紀以降は、フランスで木版刷りの「マルセイユ版」と呼ばれる型が広く作られました。

占いの道具になる

1781年、フランスの学者アントワーヌ・クール・ド・ジェブランは、著書『原始世界』の中で「タロットは古代エジプトの知恵を伝える書物の名残である」と主張しました。同じ本に寄稿した人物は、タロットを「トートの書」と呼びました。当時はまだヒエログリフ(古代エジプト文字)が解読されておらず、この主張に証拠はありませんでした。

同じころパリでは、エテイヤという名で活動した占い師ジャン=バティスト・アリエットが、タロットを使った占いの本を1783年から出版しました。彼はカード占いで生計を立てた最初期の人物とされ、1789年ごろには占い専用のタロットも作っています。エジプト起源説は、この時期に占いと強く結びつきました。

神秘思想とライダー版

19世紀半ばには、フランスの魔術思想家エリファス・レヴィが、22枚の切り札をヘブライ文字の22文字と結びつける考えを広めました。この考えは、1888年にロンドンで結成された神秘思想の団体「黄金の夜明け団」に受け継がれます。

その会員だったアーサー・エドワード・ウェイトが構想し、画家パメラ・コールマン・スミスが絵を描いたのが「ライダー版」です。1909年12月にロンドンのライダー社から出版されました。それまで数字とマークだけだった小アルカナの数札にも、人物が登場する場面が描かれたのが大きな特徴です。絵から意味を想像しやすいため、現在売られている多くのタロットがこの絵柄を手本にしています。

カードの構成

タロットは78枚で、22枚の「大アルカナ」と56枚の「小アルカナ」に分かれます。アルカナはラテン語で「秘密」を意味する言葉に由来します。ただし、この呼び名は19世紀の神秘思想の中で広まったものとされ、ゲームの時代には使われていませんでした。

大アルカナ

大アルカナは、0の「愚者」から21の「世界」まで、寓意画が描かれた22枚です。ライダー版での並びは次のとおりです。

番号カード番号カード
0愚者11正義
1魔術師12吊るされた男
2女教皇13死神
3女帝14節制
4皇帝15悪魔
5教皇16塔
6恋人17星
7戦車18月
8力19太陽
9隠者20審判
10運命の輪21世界

マルセイユ版などの古い型では、8が「正義」、11が「力」です。ウェイトは、黄金の夜明け団の占星術との対応に合わせるため、この2枚を入れ替えました。そのため、使うカードによって番号が違うことがあります。

小アルカナ

小アルカナは、ワンド(棒)、カップ(杯)、ソード(剣)、ペンタクル(金貨)の4スートからなります。各スートは、エースから10までの数札10枚と、キング・クイーン・ナイト・ペイジの人物札4枚で、合わせて14枚です。現代の解説書では、ワンドは情熱や仕事、カップは感情や愛情、ソードは知性や対立、ペンタクルはお金や物質を表すと説明されることが多いです。

タロット占いのやり方

流派によって細かな作法は違いますが、一般的な流れは次のとおりです。

  1. 占いたいことをひとつに絞り、具体的な言葉にする
  2. カードを裏向きのままよく混ぜる(シャッフル)
  3. 決まった並べ方(スプレッド)に沿ってカードを置く
  4. 置いた位置の意味と、カードの絵や意味を組み合わせて読む

カードが上下逆さまに出た「逆位置」では、意味が弱まったり反対になったりすると読むのが一般的です。ただし、逆位置を使わない占い手もいます。

代表的なスプレッド

最も簡単なのは、1枚だけ引く「ワンオラクル」です。今日の心がけや、ひとつの問いへのヒントを見るときに使われます。3枚を並べて「過去・現在・未来」や「原因・現状・助言」と読む方法も、初心者に親しまれています。

10枚を十字と縦の列に並べる「ケルト十字」は、ウェイトがライダー版に合わせて書いた解説書で「古代ケルトの占い方」として紹介し、広まりました。名前に「古代ケルト」とありますが、古くから伝わる方法だと確かめられているわけではありません。

カードの意味を丸暗記するより、絵に描かれた人物の表情や色、場面から感じたことを言葉にするのが、タロットを楽しむコツだとよく言われます。

近代以降の広がり

20世紀には、魔術師アレイスター・クロウリーと画家フリーダ・ハリスによる「トート・タロット」など、独自の解釈を込めたカードが次々に作られました。現在では、数えきれないほどの種類があります。

一方で、ゲームとしてのタロットも消えていません。フランスやオーストリア、イタリア、スイスなどでは、今もタロットを使った「切り札を出し合う」カードゲームが遊ばれています。フランスの「タロー」はその代表です。

よくある誤解・豆知識

古代エジプト起源ではありません。 18世紀に唱えられたエジプト起源説は、長く信じられてきました。しかし、イギリスの哲学者マイケル・ダメットらの研究によって、タロットは15世紀の北イタリアで生まれ、18世紀後半までほとんど占いに使われていなかったことが明らかにされています。

トランプの祖先でもありません。 「タロットの小アルカナからトランプが生まれた」と説明されることがあります。実際には、4スートのカードのほうが先にヨーロッパへ伝わり、そこに切り札を足してタロットが生まれました。

「死神」は不吉な予言ではありません。 13番のカードは名前から怖がられがちです。現代の解説書の多くは、物事の終わりと新しい始まりを表すカードとして説明しています。古いマルセイユ版では、このカードに名前が書かれていないことが多いのも面白い点です。

タロットは、自分の気持ちを整理したり、物事を別の角度から考えたりするきっかけとして楽しむものです。健康やお金、法律に関わる大切な判断は、カードの結果ではなく専門家に相談して決めましょう。

このサイトのタロット

「今日の一枚」と、過去・現在・未来の「3枚引き」で占えます。

参考文献

最終更新:2026-10-08

あわせて読みたい