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トマト祭りスペイン・ブニョールの夏の祭り

スペイン東部の町ブニョールで、毎年8月の最後の水曜日に開かれる、トマトを投げ合う祭りです。1945年の偶然のけんかから始まり、禁止と「トマトの葬式」を経て今の形になりました。歴史と当日の流れ、参加の決まりを紹介します。

スペイン・バレンシア州ブニョール1945年〜季節の祭り今も行われている

概要

トマト祭り(ラ・トマティーナ)は、スペイン東部、バレンシア州の町ブニョールで毎年開かれる祭りです。8月の最後の水曜日に、町の中心の通りで、参加者が熟したトマトを投げ合います。投げ合いは正午からちょうど1時間です。

使われるトマトは、毎年約120トン(12万kg)とされます。2002年には、国の観光当局から「国際観光重要祭り(Fiesta de Interés Turístico Internacional)」に認められました。今は参加の人数に上限があり、入場券が必要です。

歴史

公式サイトによると、始まりは1945年8月の最後の水曜日です。町の守護聖人の祭りの期間で、張りぼての巨人や大頭の人形が広場を練り歩いていました。若者たちが行列に加わろうとしてもみ合いになり、近くの八百屋の店先にあったトマトを投げ合ったといいます。警察が止めに入り、その日は終わりました。

翌年、若者たちは同じ日に、今度は家からトマトを持ってきました。当局はこれを、宗教や政治の目的もない騒ぎとみなし、祭りとして認めませんでした。1950年代の初めには何度か禁止され、参加した人が捕まり、罰金を科されたこともあったとされます。

1957年、町の人たちは禁止に抗議して「トマトの葬式」を行いました。大きなトマトを入れた棺をかつぎ、楽隊が葬送の曲を奏でながら町を歩いたのです。このユーモアのある抗議をきっかけに、祭りは認められ、町の祭りの一つとして続くことになりました。

1983年には、スペインの国営テレビの報道番組が祭りを紹介しました。投げ合ったあとに、みんなで通りを洗う様子も伝えられ、その後、訪れる人が一気に増えました。

祝い方・祭りの流れ

当日の朝は、「パロ・ハボン(石けんの棒)」から始まります。石けんを塗って滑りやすくした高い棒の先に生ハムがつるされ、登って取った人がもらえます。

正午、合図の花火(カルカサ)が鳴ると、トラックで運び込まれたトマトが通りにあけられ、投げ合いが始まります。通りに面した建物の壁は、あらかじめシートで覆われます。13時に2度目の合図が鳴ると、投げるのをやめます。そのあと、町が用意したシャワーや住民のホースで体を流し、作業員が水で通りを洗います。

公式サイトは、参加の決まりとして次のことを挙げています。

  • トマトは投げる前につぶして、当たったときの衝撃を和らげる
  • びんや硬いものを持ち込まない
  • 自分や他人のシャツを破いたり、投げたりしない
  • 2度目の合図が鳴ったら投げるのをやめる

トマトの酸から目を守るための水泳用のゴーグルや、脱げにくく滑りにくい靴も案内されています。警備の係員の指示に従うことも求められています。

今の暮らしの中で

人が増えすぎたことから、人数に上限が設けられました。公式サイトによると、2012年には人口約9,000人の町に約5万人が集まりました。そこで2013年から、町は入場券で参加者を2万2,000人までに絞りました。安全のために、参加者を以前のほぼ半分にしたと伝える報道もあります。会場には、嫌がらせなどにすぐ対応する窓口「プントス・ビオレタ」も置かれています。

トマトは、全国の協同組合から集めた、生で売るには規格に合わないものとされます。品種は、皮が柔らかい「ペラ」と呼ばれる細長いトマトです。

2025年の祭りには、2万人を超える人が参加しました。2024年10月の大雨では、ブニョールもスペイン東部で被害を受けた町の一つになりました。2026年は8月26日に開かれ、その前の土曜日には、4歳から14歳の子どもが参加する子ども向けのトマト祭りも開かれました。

よくある誤解・豆知識

実りを祝う祭りではありません。 トマトの収穫を祝う行事ではなく、1945年の若者たちのもみ合いから始まった催しです。

だれでも自由に入れるわけではありません。 2013年からは入場券が必要です。上限の人数は、資料によって「2万人」「2万2,000人」と書かれ方が違います。

町の祭りの中の1日です。 トマト祭りは、ブニョールの守護聖人をたたえる夏の祭りの期間に、その催しの一つとして行われています。

参考文献

最終更新:2026-10-17

このページは、世界の祭りを、暮らしの行事として紹介するものです。宗教の教えの説明や、参加・まねをすすめるものではありません。日程や参加の決まりは年によって変わるため、出かける前に主催者の案内を確かめてください。